日本青年社ロシア訪問団・帰国報告

４、ロシア共産党、モスクワ地区委員会訪問

　日本の民族派が恐らく最初で最後になるであろう、ロシア共産党モスクワ地区委員会への訪問である。その場所はモスクワ市街地から少し離れたところにあった。政権党でなくなった共産党は少し元気がないように思えた。あまり大きくない会議室で会談は行われた。最高責任者のウラス・モスクワ地区委員会第一書記。下院議員でもある第二書記・アルパトフ・ロシア科学アカデミー東洋学研究所副所長の３名が対応してくれた。我々は日本青年社の意見・要望を行った。これに対し第一書記のウラス氏は日本に対する尊敬の意を表明したが領土問題に関しては、はっきりとした意見は言わなかった。第二書記の方はロシアの若者のアメリカ化、英語の氾濫を民族主義の退化だと言い、アメリカに対する共闘を申し入れてきた。我々はそれに同調せず、逆にソ連邦からロシア連邦に変わる中で、ロシア共産党がどのように変わったのかを問いただした。彼らは旧ソ連への復帰を目指すということを明言したので話は物別れになってしまった。

　ロシアに於いては「民族主義」は共産党が代表していることに我々は始めて気がついたのであるが、日本の民族主義と余りにも大きな落差があることを知ることにもなった。最後に松尾会長の「我々は日本の皇室の下に存在する団体である」という一言で共闘が出来ないことを確認した。それでも共産党の本やバッチ等を記念に用意してくれており、握手して別れることが出来た。

※ 民族主義と共産主義は対立する。これが日本の現実であり常識でもあった。
しかし、ロシアではロシア共産党が民族派であり、ロシアに於ける第二政党である。この第二政党という言い分は会談に於いて彼らが主張したことなので定かではない。現在のロシア国内で共産党の政治的位置は不明であるが、国民の中では一定の支持を得ている事は推測できる。我々のガイドもソ連邦時代の方が生活は楽であったと言っていた。しかし二度と政権を取る事はないだろうとも言っていた。このあたりにロシアの現実があるのだろう。又外務省での話の中で「今のあなた方にとってソ連邦とはどのような存在なのか」という我々の問いかけに対しての「ソ連邦は我々にとって祖国です」という答えも意味深長である。

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モスクワ地区委員会での意見交換において激論を交わす日本青年社ロシア訪問団

日本青年社全国社友会会長代理・笹本直紀（中央）日本青年社総本部全国総合管区長・山本正實（左隣）

日本青年社総本部理事・岡本芳巳（左端）

５、サンクトペテルブルグ国立大学訪問

　最後の訪問先はサンクトペテルブルグ国立大学東洋学部、日本語学課である。ここでは課長代行であり、日ロ協会会長でもあるルィービン・ビクトール氏が迎えてくれた。氏は日本の北海道での教師生活の経験が有り、日本語は上手であった。ここでの目的は学生たちとの交流にあったので、授業スタイルになった。教室内は日本人と学生が並んで座り、学生が日本語を話せるので非常に和やかな授業になった。先ず日本青年社は代表が日本青年社の闘いの軌跡をゆっくりと話し、その思想に対して理解を求めた。次に学生たちが自己紹介を兼ねて、自分の研究課題を発表した。日本人も顔負けするような日本の様々な問題や風土、歴史、人物等を学んでいることに敬意を感ぜざるを得なかった。次に日本青年社から国旗を贈呈することになり、日本の国旗の由来や意味の説明が行われた。更に「日本青年社の総意に基づく意見・要望」が読み上げられ、大学へ教材として贈呈された。

　その後、質問に対し答えるという形で授業は続いた。中でも「あなた方はロシアに来て怖くなかったですか」という問いは色々考えさせられた。答えとして「確かにソ連邦としてロシアが存在していたならば、我々はソ連邦の敵ですから恐怖を感じるでしょう。しかし現在のロシアは民主主義国家であり、日本との友好関係を国だ信じているので少しも怖くありません」と言ったのであるが、ロシアは様々な場面でソ連邦の影を引きずっているのを感じたのも事実であった。日本青年社と日本語学科の学生たちの間に短い時間ではあったが熱い交流が生まれ、授業が終わっても隣同士での会話がしばらく続くほどであった。サンクトペテルブルグ大学の一角に「日本記念館」が創られる話も進んでいるとの事で、日本青年社が贈った日本国旗は日ロ友好の証として、その中に飾られるとの事であった。訪ロの旅の最後を学生たちとの交流、友好とした日本青年社一行は、当初の目的である、日露友好親善と領土返還交渉の前進を見事に達成し、全員が歴史的一歩を踏み出したことを確認し帰国の途に着いたのであった。

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サンクトペテルブルグ国立大学での意見交換風景

サンクトペテルブルグ国立大学東洋学部日本学課課長代行・日ロ協会会長・ルィービン・ビクトール先生に「日本青年社の要望書」を手交する日本青年社総本部国際局長・澤井和美（サンクトベルグ大学の学生が、日本のことをよく研究してるので驚いた）

サンクトペテルブルグ国立大学東洋学部日本学課課長代行・日ロ協会会長・ルィービン・ビクトール先生と握手を交わす日本青年社総本部組織局長・葛西俊夫

日本青年社の意志と思いを読むあげる日本青年社総本部総局長・千葉州時

サンクトペテルブルグ国立大学東洋学部日本学課課長代行・日ロ協会会長・ルィービン・ビクトール先生に記念品を贈呈する日本青年社総本部慶弔局長・大塚直樹

サンクトペテルブルグ国立大学東洋学部日本学課課長代行・日ロ協会会長・ルィービン・ビクトール先生に日本国国旗を寄贈する日本青年社総本部事務局長・木村　正（寄贈した日本国国旗が、これから建設される「日本記念館」に、日ロ友好の証として飾られることが決まって感激した）

日本国国旗の起源と由来を説明する日本青年社議員同志連盟会長・松村茂夫

６、ロシア訪問最終日の会食懇親会

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ロシア訪問最終日の食事懇親会において、その成果に笑顔がこぼれる（左から、日本青年社全国社友会会長代理・笹本直紀・日本青年社全国社友会会長・小林　明、日本青年社総本部時局対策局長・藤田昭彦、日本青年社総本部情宣局長・大久保叡）