平成15年01月24日
総本部理論文教局長

 尖閣諸島(魚釣島・南小島・北小島)を国が借り上げていたという記事が本年元旦の新聞の一面に掲載され、尖閣諸島を含む日本の領土問題が今年の大きな問題になる予兆を感じさせた。国の国権という問題が今ようやく日本国民の意識の中に拡がり始め国民が国家の権利を意識し、主張すると言う流れが生まれてきたように思える。

尖閣諸島問題は日本青年社にとって最大の運動拠点であり、日本青年社を抜きにしてこの問題を把えることはできないと自負している。

しかし領土を守る責任は国家にあり、時の政府にあることも明白な事実である。問題は日本の固有の領土である尖閣諸島を外交の道具にしてしまう日本政府の弱腰な姿勢にある。

今回の小泉首相の靖国神社参拝も韓国・中国から非難される事を恐れつつ参拝を行った。尖閣三島の借り上げも「日中友好30年」を待って行うという、相手の顔色を見ながらでないと行動を起こせないという自信の無さである。

そもそも日本青年社が灯台を作って尖閣諸島の実効支配を行わなくてはならない根拠は、日本政府の対中国の腰の弱さにあった。日本政府が毅然たる姿勢を持つならばその必要は無かった筈ある。

昨年李登輝前台湾総統が明言したように「尖閣諸島は琉球に属している。その琉球が日本を選んだのだから尖閣諸島は当然日本の領土だ。石油が出ようが出まいが関係ない。」というのが良識ある国際人立場であろう。そして国際社会の常識でもある。

日本政府は言うべき主張はあやふやにせずきちんと強く主張しなければならない。北朝鮮に対して日・韓・中・露は手を携えて進まなくてはならないから、対立を招くような領土問題は主張すべきではないという間抜けな意見を主張するグループもあるが、そういう事なかれ主義こそ現在の日本外交を生んでしまった事を反省し、国家主権、国益を断固として主張してゆかねばなるまい。

日本青年社は政府の領土保全に注意しつつ、自らが歩んできた尖閣諸島の実効支配を全力で実現してゆく事を再度確認する。