北朝鮮問題に関する諸問題

平成12年06月01日


万景峰92号

本と北朝鮮の戦後における諸問題の第一は、昭和34年、在日朝鮮人が日本から帰国するために就航した「帰還船」か始まる。

 この「帰還船」は、現在、豪華貸客船万景峰92号(9672トン・平成4年(1992年)建造)が冬場を除いた期間に、在日朝鮮人、日本人が北朝鮮を訪問する定期船として新潟港と北朝鮮元山(ウォンサン)港を往来している。


 
かし、この万景峰号には日・朝問題に絡んだ重大な不正疑惑が多々発覚している。その疑惑とは、在日朝鮮人が里帰りと称して日本から持ち出す手土産の中にある。

  この手土産の中に、日本から持ち出されるハイテク物資や、多額の日本円によって北朝鮮の金日成・正日体制がいまだに維持されていることは周知の事実である。

  この問題は既に新潟税関の「手抜き検査」によって行われてきたこともマスコミ報道によって明白となっている。付言すれば、平成10年8月31日、日本の主権を侵害し三陸沖洋上に弾着した北朝鮮の「弾道ミサイル・テポドン1号」にも日本のハイテク物資が大量に使用されていたし、私たちが断じて許すことのできない日本人拉致や、工作員密入国の際に使用されていると思しき工作母船や小船にも殆ど日本のハイテク物資が使用されている事実がある。


能登半島沖・・・不審船1


能登半島沖・・・不審船2

本と北朝鮮の交流には三つのルートがある。

 1.船舶。
 2.北京経由で空路によるに平壌(ピョンヤン)行き。
 3.北京経由にて列車で平壌行き。

2と3は北京税関が厳しいために、現実には船舶往来が主流となっている。

 日・朝間での船舶往来は新潟港ルートの他に、鳥取県の境港港、福井県の敦賀港、北海道の小樽港などがあるが、特に境港は古来より北朝鮮との交易が知られ、北朝鮮の港町と姉妹都市になっており、日本で漁業が最も繁栄しており、年中、北朝鮮と取り引きしている。またこうした貿易の名を借りて日本から北朝鮮に不正輸出が行なわれているともいう。



外務省正門前で被拉致日本人救出を訴える

外務省前で北朝鮮に拉致された日本人救出を訴える日本青年社隊員

横田めぐみさんのご両親

櫻井よしこさんも参加
朝鮮問題については多岐に亘るが、経済・軍事問題は特に重大である。

 北朝鮮の「経済」は新聞報道の通り困難を極めているが、「軍事」をチラツカセながら、日・米・韓から支援を受けている。しかし農業政策の行きづまりから、他国からの支援だけではどうしょうもない状態であり、このままでは経済危機から立ち直ることは到底できないであろう。

  何故ならば、北朝鮮は人口2千万人に満たない国に、何も生産しない常備軍が100万人をゆうに越えているからだ。その軍兵士に食べさせ、民衆が食べていくには常に限度がある、といわなければならない。

  例えば、この比率を日本に当てはめると、人口が1億2千万だから、常に600万人の自衛隊を食べさせる計算となる。加えて軍隊には家族がいるのだから、経済の再生といっても、現存する軍事費と食料費は絶対にまかなわなければならず、北朝鮮の経済状態ではどだい無理な話しだと言わざるを得ない。


朝鮮は日本の江戸時代のような鎖国で国内では自由往来すら禁じられている。

  日本人観光客は北朝鮮の選良な民が住む平壌(ピョンヤン)だけ見て帰るから、北朝鮮の実態を知ることはできない。況んや、飢餓に象徴する生活や日常的な停電、仕事がないために大都市以外の工場では午前中で仕事がなくなるなどの実態をつかみ得ないのだ。


うしたことから、工業も農業同様に一向に前進せず、今では「軍事・麻薬」輸出国、また「偽ドル札・旅券偽造・日本人や外国人拉致・テロ国家」等のレッテルがはられている「異常国家」である。

  ひいていえば、近くて遠い国、北朝鮮の実態は今や最後の段階に入っているといえる。

  北朝鮮が生き残るには、戦後日本が焼け野原から必死に働き、今日の繁栄を築いたように「労働」を国の基礎とする政策転換を図り、軍事を放棄し、国際社会に胸襟を拓くことが、北朝鮮の復興となることに指導層が目覚めなければ北朝鮮の未来はないと言い切れるであろう。



[こんな北朝鮮に私たちは警鐘する]


朝鮮は国連の一員であり、かつ何処の国も現在北朝鮮に侵攻しようとしていず、真剣に「対話」を呼びかけている。

  よって北朝鮮は「拉致国家」「テロ国家」「軍事独裁国家」を自ら批判し、ミサイル開発、核開発を即時撤回して対話に応じ、「国交正常化」を目指し、経済開発を急ぐべきである。

  「自力更正の道」があってこそ、諸外国の支援が活きるのであり、「自らの孤立」の道を選択するのではなく、過去を一掃し、清算する時なのだ。

  徹底した軍縮を図り、まずは豆満江を経済特区として開発し、開国放国の道を突き進むのが、北朝鮮に残された唯一の道であろう。


うした道を選択せず、従来の諸国に「軍事挑発」を続けるのであれば、私たちは北朝鮮に対する断固たる措置を政府に要求する以外にない。

  北朝鮮は今後アジアの一員として私たちと共に進むことを期待したい。

  北朝鮮は過去を明確に自己批判し、日・米・韓の呼びかけに応えることが国際社会で「生き残る」最後の道であることを警告する。

  また北朝鮮がこれまでの道を選択するならば私たちは断固たる覚悟をもって最後まで応えるざるを得ない。