7月12日告示29日投票の参議院選挙に向けて考える
参議院の存在について


平成13年4月25日
総本部憲法調査研究委員会
委員長:横山正幸

 現行憲法上、主権者である私たち国民の意思は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動する(憲法前文)、つまり日本国は国会の意思のもとにまとまるべきであるということである。

 国会は衆議院及び参議院の両院で組織される(42条)。両院制とは、国会が2つに独立した合議体で構成され、国会の意思が原則として、2つの意思の合致により成立する制度をいう。これは国会が1つの合議体から構成される1院制と区別される。また両院制の長所は審議を慎重にするということである。1院制の場合、その1院に多数を占める政党の意思が直ちに国会の意思となり、慎重な審議がなされないおそれがある。しかし、他方両院制では、1院の審議がほかの1院により不当に遅らせられるおそれがある。

 だが現行憲法上、両院の権限を見ると、両院制を採用していながらも、1院制に近いといわざるを得ない。つまり、衆議院は参議院の反対にもかかわらず、衆議院の主張が国会の議決となるように定めている。


(1)衆議院の優越
 ・法律案の議決(59条)
 ・予算の議決(60条)
 ・条約の締結の承認(61条)
 ・内閣総理大臣の指名(67条)
(2)衆議院の専属権
 ・予算先議権(60条)
 ・内閣信任・不信任議決権(69条

このような衆議院の優越は、同じ国民の代表機関である両院の内、衆議院に代表的地位を認め、参議院には衆議院に対する補助的な地位しか認めていないということである。よって参議院の存在を根本的に考えなおさなければいけないのではないか。

 ともあれ、今年の夏には参議院選挙が行なわれる。制度上、国民意思を国家意思へと形成するためにも国民は投票に行くべきでしょう。