公 開 質 問 状

 貴職には自治行政を司る最高責任者として日々政務に御精励なされていることと拝察します。

  私どもは日本青年社・国際婦人福祉協力会でございます。

 私ども国際婦人福祉協力会は、平成七年の阪神淡路大震災を初め、長崎県普賢岳の土石流災害、北海道奥尻地震、またインド西部地震、アフガニスタン難民支援等など諸活動に取り組んでおります。また平成七年に日本人有志によってタイ王国カンチャナブリ県に建立された世界全ての戦没将兵の慰霊と地球未来の恒久平和を祈る聖地「平和祈念公園」の総合管理団体である日・タイ合弁の財団法人「二十一世紀文化教育財団」と提携し、毎年2回、タイ王国の養護施設「子供の森」をはじめ、数々の高齢者施設や小学校へ支援活動を続けております。

 扨、わが国の喫緊の課題である少子高齢化問題は、二十一世紀の国民社会に多大なる影響を与えることは明らかです。しかし現実問題としてその対策となると一長一短に解決できるものではありませんが、年々比率が高まる高齢者の厚生福祉問題はこれ以上先伸ばしすることはできせん。そのような折の昨年十月、厚生労働省は七十五歳以上の高齢者に対して医療費の自己負担が限度額を上回った場合に市町村窓口で超過分の払い戻しを受ける「高額医療費制度」を導入しましたが、自治体が行なう本人への通知や申請方法に差があることから申請率にバラツキが生じており未だに制度が徹底されていません。保団連の集計によれば今年四月以降の払い戻し状況を回答したのは21県。1082自治体の払い戻しの対象者は39万5439人。このうち30.4%にあたる12万81人が未申請出、未払い額は7億2863万円にのぼっているといいます。これは未申請者に払い戻しの通知をしない自治体が180もあったほか、厚生労働省が通知で「不要」としているはずの医療機関の領収書を申請者に添付するよう義務づけている自治体が172もありました。また通知では、治療が複数月にまたがる場合は窓口の手続きは最初の一回だけでいいとしているのに、月ごとに申請のし直しを求めている自治体が325もあり、保団連は、このような結果は自治体の対応の差が申請率に反映しているが、役所の窓口へ出向くことを求める払い戻しの制度自体、高齢者には大きな負担となっている、との見解を述べていますが、このような問題は一時も早く解決しなければなりません。

  依って私どもは、貴自治体が「高額医療費制度」に関して如何様に対応されているのかについて下記の通り質問申し上げます。


一、 貴職は、厚生労働省が決定した「高額医療費制度」が自治体によって通知や申請方法に差があることを御存知か否か、また貴自治体は如何様な通知と申請方法を指導しておられるのか回答を頂きたい。
一、 高額医療費超過分の未申請者に払い戻しの通知をしない自治体が180も存在するが貴自治体は果たして如何であろうか回答を頂きたい。
一、 今年4月以降の払い戻し状況を回答したのは21県の1182自治体。払い戻しの対象者は39万5439人。このうち30.4%にあたる12万81人が未申請で、未払い金額は7億2863万円にのぼっているが、貴殿はこのような未払い金が発生することについて如何様にお考えか回答を頂きたい。
一、 貴職は自治体として今後高齢者の厚生福祉問題を如何様にお考えなのか回答を頂きたい。
一、 いずれの自治体においても年齢別住民台帳がある以上、貴自治体も高額医療費の払い戻しを受けることのできる高齢者が何人いるかは把握していて当然です。貴自治体はこのような高齢者に如何様に対応をなされているのか回答を頂きたい。
一、 保団連の集計によれば、高額医療費の払い戻しを受けられる七五歳以上の高齢者の3割が診療から半年たっても手続きをしていないことが明らかになったが、貴自治体において手続きをしない高齢者は全体の何割いるのか回答を頂きたい。
一、 払い戻しを受けられる資格者が手続きをしないことは自治体が本人への通知や申請方法が一貫していないことに原因があるはずだが、貴自治体は本人に通知や申請方法を如何様な方法で知らせているのか回答を頂きたい。
一、 厚生労働省が「不要」としている医療機関の領収書を申請者に添付するよう指示している自治体が172あったというが貴自治体は如何様な措置をとられているのか回答を頂きたい。
一、 治療が複数月にまたがる場合は窓口の手続きは一回だけでいいとなっているのに、月ごとに申請のし直しを求めている自治体が325あるというが、貴自治体は如何様な申請方法を採られているのか回答を頂きたい。
一、 厚生労働省が「高額医療費制度」を制定しても自治体が「制度」を軽視したり怠慢であった場合、どのような素晴らしい制度でも有効に機能することは難しい。
例えば、制度では高齢者が高額医療費の払い戻しを受ける際に役所の窓口に出向くことを求めていますが、介護を必要とする高齢者また一人暮しの高齢者にとってこのような作業は大変辛いことだと思います。従いましてこのような作業は貴自治体が行政サービスの一環として効率良く取り組んだら如何かと思いますが回答を頂きたい。
一、 今後は「払い戻し」の遅れがでないように下記事項を実施していただきたい。
(1) 国が制定した制度である以上、自治体は率先して広報作業を徹底していただきたい。
(2) 専門職員は高齢者の自宅訪問を徹底し自治体は何時如何なる時でも対応できる体制を確立していただきたい。
(3) 老人保険の対象にならない高齢者にも同様措置をとっていただきたい。
(4) 払い戻し金は役所の窓口だけに限定せず、郵便局・銀行等でも受け取れるようにしていただきたい。
(5) 未申請者がでないように自治体は病院と連携し、また病院は高齢者医療費の未申請者がでないように患者に制度について説明させていただきい。
(6) 高齢者への高額医療費払い戻しの通知や申請方法は全国一律にしていただきたい。
一、 最後の質問ですが、貴職は自治体の最高責任者として今後の厚生福祉問題について如何様な考えをお持ちか明確に回答を頂きたい。


以上公開質問とします。

貴職には本質問状受理日から十日以内に明確なる文書を以て回答を頂きたい。

 尚、当方は、回答書集計後に本状送付先と回答数、また無回答の自治体名を全てホームページにて公開しますのでご了承ください。




日本青年社国際婦人福祉協力会
代表 大越和子
東京都港区六本木318-5東京デザインビル402号

平成15年08月07日

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