アジアの平和と繁栄を築く道アジア外交の軸足を変更せよ

平成18年 3月30日


 二十一世紀はアジアの世紀と言われている。中国、韓国、北朝鮮との外交が行きづまり、反日トライアングルを突破しなければならない日本政府は、今、何が求められているのか。国益と国家主権を貫き、アジアの盟主としての日本の立場と進むべき道を明らかにしなければならない。


アメリカの対中政策の変化
 三月上旬、ブッシュ大統領はインド、パキスタンを訪問した。インドのシン首相との会談でブッシュ大統領は「われわれは歴史をつくった」と会談の成果を強調した。核拡散防止条約(NPT)に背を向け、核開発を続けたインドとNPTの守護神としてイラクと戦争までして核拡散を防いだアメリカが、原子力技術協力で合意したのである。誰の目にも明らかな事は、インドとの協調により、中国の軍事的・経済的台頭を押さえる、戦略的立場をアメリカが明確にしたというものである。これまでのアメリカの対中政策は中国の台湾併合を微妙な言葉の言い回しで認めるとも認めないとも断定してこなかった。具体的には「台湾の防衛に必要なものを供給する」事を決めており、中国の武力侵攻を強くけん制することに力点が置かれていた。しかし最近では「一つの中国」論が台頭し中国に押し切られる方向が強いとみられていた。しかし今回の訪印による方向転換は、アメリカの対中政策の変更とみていいと思われる。インドも昨年四月の中印共同声明で協調を強調したが今年一月、ミャンマーでインドとのガス田開発を中国がひっくり返し、資源争奪戦が激しくなり対立が激化している。


アセアン諸国の政治不安
 フィリピンのクーデーター未遂事件はアロヨ大統領の政権基盤の弱さを露呈し、安定政権、経済的安定に不安を抱かざるを得ない。又比較的安定した発展を示していたタイに於いてもタクシン首相への不信感から政情不安が続いている。インドネシアもイスラム過激派によるテロ活動が続いており、アセアン地域全体が政治不安を抱えている。発展途上の過程で起る、貧困、格差、が原因である。


日本の対アジア政策は
 ヨーロッパ諸国がECをつくり経済共同体づくりに成功した事を受けて、アジアでは「東アジア共同体構想」が浮上している。日本では親中派のメディア、政治家が「アメリカに目を向けるのか、アジアに目を向けるのか」という選択技の中でその主張を行っている。しかし中国の「中華思想」は国境という観念を持たない思想であり、「東アジア」は中国領土であると考えている。現実に中国は毎年十数%の軍事費の拡大を行い、自国と国境を接する国と領土紛争を抱え、その過程で軍事力を行使してきた。つまり「東アジア共同体」は中華帝国であり、日本及び他の周辺国は中国の属国になる事を意味しているのだ。故に日本の進むべき道ははっきりしている。先ず中国の領土拡張の野望を叩きつぶす事である。いま問題になっている東シナ海の石油開発で日本は一歩も引いてはならない。すでに開発してしまった油田、(これも日本政府の無為無策の結果だが)、は仕方がないとしても日本の権利が保障されている日中中間線の日本側海域には一歩たりとも踏み込ましてはならない。中国側は尖閣諸島の共同開発を主張しているらしいが、こんな提案を出す事を許した日本外交に怒りを感ぜざるを得ない。

 日本青年社が守り抜いた尖閣諸島を「共同開発」するなどもっての他である。日本が日本の領土を防衛する事は、中国の周辺国にとっても重要な事であり、特に台湾との連帯は日本の防衛と密接にからんでくる。故にインド、アセアン諸国、台湾との友好関係を強固にし対中国包囲網を作り上げる事が日本外交の急務と考えられる。政冷経熱といわれる日中関係は特に改める必要はない。もし改めるとするなら中国への投資を除々に減少させるべきであり、アセアン諸国の経済の安定化への寄与の方が日本にとって重要である事を認識しなくてはならない。