平成17年4月9日

日本国家主権の危機
 
 日本の国家主権が危機を迎えている。戦後六十年間の我が国政府の無為無策が招いた事態とは言え、最近、たて続いて起っている、中国、韓国の日本への攻撃は、常軌を逸しているという外はない。日本国民は正義と真実を自らの立脚点と定め断固とした反撃を行なわなくてはならない。


竹島、尖閣諸島は日本の領土領土死守は国家主権の基本
 
  今回の島根県議会に於ける「竹島の日」条例の成立は、あまりにも無策な日本政府に対する警鐘であり、地元県民の切実な思いの最大限の表現であった。韓国政府は条例成立を「第二の侵略」と決めつけ、新らたな対日政策の四原則と、それに基づく対応策を発表した。慮武鉉政権は二〇〇三年六月に小泉首相との会談で、両国の関係強化を確認し、「任期内は歴史問題を公式的に争点化しない」と約束をした。しかし今回、領有権は国家主権にかかわる問題ということで、今までの約束を無視し、侵略に対する謝罪と反省を要求し、歴史問題を正面に出す事を明らかにした。

  そもそも竹島が日本の領土である事は韓国自身が認めており、日本の大東亜戦争に於ける敗戦のドサクサに紛れて主張しただけの、火事場泥棒的領土権の主張であり、それ故、当時、国際司法裁判所への提訴を認めず、いきなり警備隊による占拠を一方的に行ったのである。このような不法行為を我々は絶対に許す事は出来ない。領有権は国家主権であるという主張は、日本の主張であり、決して譲る事は出来ない。

  日本青年社が灯台を建設し、二十七年間実効支配を続け、今年二月九日に、日本国に正式に灯台を移譲した事の重大性が浮び上がってくる。昭和五十三年、中国の武装船団百四十隻が尖閣諸島に押し寄せる事態に対し、当時の日本政府は為す術を持たず、ただオロオロするだけであった。日本青年社は決死隊を組織し、領土保全こそ国家主権を守る事であるとし、決死の覚悟で尖閣に上陸し、灯台を建設した。これは尖閣を第二の竹島にしてはならないという民族派の使命でもあった。二十七年の間、何回となく、台湾、香港、中国の攻撃を受けながらも、日本青年社は灯台を死守してきた。そして今回ようやく、日本政府が日本青年社に替り国家管理する事になった。

  領土は外交取引の対象となるものではない。国家の命、国そのものなのだ。


北朝鮮化した韓国に警戒せよ

 中国、韓国の日本に対する執拗な攻撃は、常に日本に対し高圧的であり、内政干渉である。このような、他の国では起り得ない攻撃が、戦後六十年過ぎても続く不思議さと、最近の拡大された反日、抗日運動を冷静に見据え、対応しなければならない。

 韓国の政治情勢で特徴的な最近の変化は「北を刺激してはいけないから」という理由で北朝鮮によるラングーン事件二十周年の行事を昨年何も行なわなかった。今年は文世光事件三十周年を迎えるがおそらく何も行わないであろう。又同じ理由で北に拉致された国民を放置し、家族たちの声に耳を貸そうともしないでいる。この限りなく北朝鮮に近づく路線は、日本に対し敵対する路線でもある。思想的には朝鮮戦争五十周年(二〇〇〇年)に際し、当時の金大中大統領の記念演説によって、北朝鮮の戦争責任を一切追求せず、スターリンの国際共産主義の責任に転嫁してしまった事に出発点があった。北朝鮮の侵略的立場を否定したため、南北分裂の原因や韓国独立の国家的意義があいまいになり「北の脅威」は消えてしまったのだ。北の脅威論から太陽政策に変化する事により、防衛方針も変化せざるを得なくなった。仮想敵として北朝鮮を明示するのはまずいということになった。これでは韓国軍の士気が上がるはずがない。

 一方北朝鮮は金正日の先軍思想で軍事独裁体制を益々強化しているのである。慮武鉉政権は今、国家保安法廃止に全力を挙げている。この法律は、北のスパイ防止法ともいえるもので、韓国の国家保護、維持の為の基本的な構えを示していた。ところがそれを廃止するために大統領が全力を挙げているのだ。すでに韓国は太陽政策を実行し、金大中時代以降北のスパイ狩りは行っていない。廃止の理由である人権擁護という事も必要性はほとんど無いに等しい。ただ現在この法律の対象になっているのは、北の革命思想、「主体思想」を信奉し、韓国の北朝鮮化を主張している学生運動だけである。これを取り締る事に反対するという事は、韓国を金正日に引き渡す事を意味している。なぜこのような変化が韓国で起きているのか。この国家保安法の廃止と機を一にして「親日真相糾明法」が制定された。これは過去、現在の親日派狩りの法律であり、日本と親しかった人々、その子孫を糾弾しようとするものであり、反日法である。韓国は明らかに「反北」から「反日」に方向転換しつつある。

 中国は「反国家分裂法」を制定し台湾の独立に対し、武力攻撃によって阻止する構えを示した。中国の領土意識は「領土法」改悪に見えるように東南アジアは自国の領土という、独善主義と大国主義に固まっており、侵略行為に対して罪の意識を持っていない特殊な国である。戦後中国は近隣諸国に対し侵略をくり返している。強い国は中国を撃退したが弱小国は中国領とされてしまった。中国は日本に対し「歴史カード」を振りかざし、朝貢を迫っている。発展途上国の振りをしてODAを求め、石油資源が発見されると領有権を主張する。この理不尽な要求を正当化させる策謀が中国共産党による「愛国教育」すなわち反日教育なのだ。 ウソにウソを積み重ね、日本を悪者に仕立て上げ、謝罪と保障を要求する手口は中国の伝統的外交ともいえる。

  我々はこのような卑劣な要求を断固としてはねつけ、正義と真実により対決しなければならない。


日本政府は事なかれ主義を捨て日本民族の矜恃を持て

 靖国問題、歴史教科書問題などの内政干渉に対し日本政府は国家主権を忘れた対応に終始している。その根源は東京裁判史観の克服を日本国民自身が為し得ていないところにある。国内の売国的マスメディア、政治家など、身中の虫を叩きつぶし、全国民が一丸となって国益を求める事なしには、この嵐のような反日攻撃をはね返す事は出来ない。

  竹島、尖閣などの領土問題に対しても、日本政府の対応は余りにも情けない。自国の領土を何だと思っているのだ。決死の思いで万全を尽くしても奪い取られる事もあるのだ。

  全国民の先頭に立って政府は領土保全と奪還を達成しなければならない。