平成15年12月4日

 情報収集衛星(偵察衛星)二機をのせた国産ロケットト H2A 六号機は、29日鹿児島県・種子島県から打ち上げられたが、第一弾ロケットに取り付けられた大型固体補助ロケット(SRB) 二本のうち一本を分離できなかったためロケット全体が約11分後に、地上からの指令で爆破された。安全保証などを目的とした衛星の本格運用が遠のいたうえ、日本の宇宙技術への信頼を大きく世界に知らしめる大失態となった。


中国との競争など夢物語だ

 日本人の多くは中国が数学、物理、化学など理科系において日本との差を広げつつあるのが実は現状であることを知らないでいるのだ。それは大きな誤りである。わたしたちは「青年戦士」で訴え続けてきたように、日本は技術立国としてしか生きられないのにもかかわらず理系教育を重視せず安閑としていた結果が文字通りの結果となったのだ。
  具体的にいえば米国のハーバード大学、マサチューセッツエ科大学などの一流大学の主席はこの間.、圧倒的に中国人が多いのである。理系は40歳前がその頂点であることから、若いときに徹底して学ばなければ身につくものではないのだ。こうした現実が今日の結果を招いていると言ったら言い過ぎだろうか。

 我々は要求する。政府・産業界・教育界がこうした現実に危機を持ち早急に理系重視に向かうことを。

 実は日本の理系教育の低落は既に韓国にも抜かれている事実がある。こうした事実を日本人として恥じないとすれば、言葉は悪いが日本はアジアの「ひょっこりひょうたん島」になってしまうのだ。先日のTVタックルの指摘は文字通り正しい姿なのだと。ここから脱却するには、日本国民が総力を挙げて立ち向かわなければならない課題なのだ。


ゆとりある教育・教師に鉄槌を

 繰り返すようだが「鉄は熱いうちに打て」といわれているように若者にゆとりなど与えてはいけないのだ。予備校の教師に教えを受けている日本の小中高の教師とは、世界の笑いものである。当然そんな先生の講議を聴くよりは予備校講師の講議を聴いたほうが学力はつくのである。また生徒も魅力を感じるのである。一体これまでの文部科学省とは何をやっていたのだろうか。ようやく彼らにも現実が見えてきたようで、ゆとりある教育の文字は消え、学力向上に向けての取り組みに向かっていることは不幸中の幸いではある。

 省みれば日本の専業農家は同4%にすぎず、食料自給率は全くないのである。日本の生きる道は戦後日本が辿ってきた道である。技術立国に頼るほかないのである。

 今回のH2Aロケットは米国に頼らず、日本が独自に情報収集するための衛星として打ち上げられたものである。しかしこうした失敗が、自前での情報収集ができないことから米国頼みになるほかないのである。既に中国など、予告した有人ロケットを一発で決めている。ということは、「中国に追いつき追い越す」ことが極めて至難の技であるという現実もまた見せつけられたのである。

理系教育の重視を!!!