平成15年02月18日
総本部国際局長:千葉秀次


 2月14日付産經新聞朝刊によれば、“13日午後、外務省幹部が米政府高官が北朝鮮によるミサイル発射実験再開の可能性を指摘していることに関連して「仮にミサイル発射実験が行われても、日本の領土・領海内に落ちなければ国際法に違反しない」との認識を示した” とあるが、この発言が北朝鮮に対する政府の見解だとしたら正に本末転倒である。

 この外務省幹部は、今日まで北朝鮮がわが国に行ってきた主権侵害の数々を分かっているのだろうか。

 平成10年8月31日に北朝鮮が発射した中距離弾道ミサイル・デポドンが東北地方上空を通過して三陸沖500キロの洋上に着弾した際に、日本国民がどれほどの不安を抱いたか分かっているのだろうか。

 平成13年1月12日に鹿児島県奄美大島沖に領海侵犯した北朝鮮の高速工作船海上保安庁の巡視艇と銃撃戦の末に沈没した事件を分かっているのだろうか。

 昨年9月17日、平壌で日朝首脳会談が行われた際に、金正日が日本人拉致事件を認めながら、北朝鮮に拉致されている大勢の日本人を人質にしたまま5人だけを帰国させ、その後、訳の分からん難癖をつけて日朝交渉を膠着状態にしている異常な国であることを分かっているのだろうか。

 北朝鮮の金日正・金正日と続く軍事独裁国歌であることを分かっているのだろうか。

 それだけではない。またぞろ各施設を再稼動とミサイル発射実験を公言し、常にわが国を標的にしているという事実を分かっているのだろうか。

 過去も現在も恫喝と物乞いを交互に使い分ける狡猾極まりない異常国家であることを分かっているのであろうか。


 私たちは訴える。


 もし、この幹部の発言が個人の意思であるならば、外務省はこの幹部を即刻断罪し、二度と北朝鮮に誤ったメッセージを送るべきではない。

 仮に北朝鮮が発射したミサイルが日本上空を通過して他国に着弾したら、外務省は一体どうするつもりなのか。

 恐らくわが国は国際会社から信用を失うばかりでなく、「袋タタキ」の目にあうだろう。