平成15年02月06日


 北朝鮮の話ではない。日本、しかも東京を中心とした首都圏の現実が停電の危機にあることから、東京電力は「節電」を呼びかけている。

 事の発端は、柏崎、いわき市にある原力発電所が現在「検査」のため「運転停止」を余儀なくされている。東電には、あと二基の原発があるが、これも近々検査のため運転停止となる。このため、首都圏の電力供給と需要が100%になり、余裕がなくなってしまうのだ。

 原因は東電の発電を「原子力発電」に依存しすぎた、つまり、全発電の44%が原発によることによる。

 いい換えれば東電の「原発」には常に問題点があるのだから、即「火力発電」を運転再開の状況にしておくべきなのに、運転停止に固定化したため「代替え」に半年以上かかるためだ。


《三月から停電の危機が迫っている》
 
 東電の発表では、現在、三月に入ると、午後4時〜7時の時間帯に「停電」が起きる可能性がある、としている。中部電力、関西電力から「電力」を借りても90Kwが限界のため、停電の危機は去らないとしている。

 東電では東北電力管内につくった現在停止中の「柏崎」「いわき市」の原発の安全性を徹底して検査し、再稼動したい、としている。

 ただ問題なのは「東電が安全検査終了」を宣告しても地元の人々の不信が強いため、地元を「納得」させることが不可欠なのだ。

 それは「東電」「原発の信頼性」に「事故隠し」の前歴があるため難航を余儀なくされていることだ。

 とはいえ「首都圏」の電力事情がこのままつづけば、夏のクーラーはストップする他なく、早期発電は必須の事情である。


《人間は原子力を完全に制御していない》

 便国のスリーマイル島、旧ソ連のチェルノブイリ原発で私たちはその恐ろしさを見てきた。加えて、福井原発の「度重なる事故」は原子力が一番環境を破壊する可能性があることを証明している。同時にこのことは、人間が未だに「原子力を完全制御」できないことを白日の下にさらしたのだ。

 私たちは「自然と共生」「環境と調和」をメインスローガンに掲げて運動を展開しているが、このスローガンからも「原子力」に対し、人間は細心の注意を払って「事故」を起こさない設備と体制を絶えずつくりあげていなければならない。

 加えて、原子力だけに頼るのではなく「風力」等の代替えエネルギーの設置が必須なことを、この東電の状況はわが日本に教訓として残したのだ。

 このことは、別に「原子力」の利用を否定しているのではない。「原子力利用」のため「完全制御」が求められていることであり、エネルギー源は一点に集中するのではなく分散すべきだ、ということである。

 「寒い三月・四月」「クーラーなしの夏」に首都圏の人々は覚悟し、国と電力各社に「エネルギー政策の転換」を勝ち取れば、「2003年」の教訓として歴史に残り、その扱いも転換することになるのだ。だから、首都圏の人々は「耐える」ことを訴え、同時に「国・電力会社」が実績をつくりあげることを望むのだ。

 自然に挑戦することは科学技術上不可欠だ。ただ自然の恐ろしさも同時に持ち合わさなければならないことを、今回の状況は日本国民に「勉強」させているのだ。


 東京電力よ!現在を否定的現実として捉え前進することを声を大にして訴える。