近年は地球温暖による旱魃と砂漠化、集中豪雨による大洪水等などが、環境汚染による異常気象によって世界各地に大災害をもたらされている。私たち日本も、いつもたらされるか予測のつかない災害に対してしっかりとした防災意識を持たなければならない。

平成14年08月29日
総本部防災対策委員会
委員長 藤谷政志

 毎年9月1日は「防災の日」と定められている。この「防災の日」は、大正12年(1923年)9月1日、関東地方南部を襲った大地震、いわゆる死者・行方不明者14万2千8百名、全壊建物12万8千棟、全焼建物44万7千棟という未曾有の大災害をもたらした関東大震災を教訓として制定されている。

関東大震災後の銀座

 さて、曾て自然豊かだった私たち住む地球、しかし、人間が富と利便を求めて科学が進歩する中で、地球は完全に蝕ばまれてしまった。その兆侯は近年の異常気象による地球温暖化と砂漠化、集中豪雨による洪水や旱魃に見ることができる。当然のことながら、このまま地球環境の破壊が進めば私たち人間の生活環境にも多大なる影響がでることは必至である。

 従って、私たちは9月1日の「防災の日」を今まで以上に意識を高め、あらゆる分野における防災対策を考え、災害が起こる予兆、また災害が起こった時の危機管理について「普段から大事に備える気持ち」を持ち続けなければならない。

 そのためには、わが国で起こった過去の大災害時における防災対策の不備を再検討し、官庁や企業は防災対策のマニュアルを作成し、各家庭はイザというときに備えて家族の連絡先、避難場所、携帯食料の準備もおこたるべきではない。

 また災害には天災もあれば人災もある。天才によって起こった事物が防災対策の不備によって第二次、第三次災害をもたらせればこれは人災である。

 しかし第二次・第三次災害につながる人災は対応如何によっては最小限に食い止めることができるはずだ。

 台風の多い日本はいつ大水害が起こるか予測はできない。最近頻発する山林火災もいつ起こるか予測できない。

阪神淡路大震災で倒壊した高速道

 未曾有の大災害をもたらした平成7年の阪神淡路大震災や、昨年の芸予地震もまだ記憶に新しい、最近は東海地方や伊豆諸島にかけては群発地震も起こっている。このようなにわが国は常に自然災害と向き合っているのだが、私たちが十分に心がけなければらないのは、事物が起こった後の第二次、第三次災害をいかに最小限に食い止めるかということだろう。

 そのためには、諸官庁や各企業は常に災害に備えたマニュアルを整備し、このような災害に十分機能を発揮できるよう対策を整えておく必要があるのではないのか。

 また一般家庭にもいえることだが、非常時の場合の家族との連絡方法、避難場所、携帯食料などは準備しておくことが必要である。

 昔から「天災は忘れたころにやってくる」との言葉があるように、いつ何時でも「油断は禁物」だ。