平成14年02月28日
編集委員会

(1) 自民党・鈴木宗男衆議院前運営委員長の疑惑はすでに明らかなように「北方四島」ODA・ロシア・アフリカ・外務省と一体化していることなどであるが、私たちが問いたいのは、派閥の長でもなく自民党議員の「実力者」でもない彼がなぜこうした疑惑に力を発揮できたのか、ということである。いい換えれば一介の議員が「政界癒着」を果たすことができたことは、日本の「政官」ひいては「日本の社会構造」が「転落の道」を歩んでいる結果だ、ということができるのではないのか。

 これでは、日本の「政治・経済」が現在のように陥ってしまったことは当然だ、といわざるを得まい。つまり「日本民族の存亡」が問われている原因の氷山の一角であることから、私たちは絶対に看過できないという危機感を待たざるを得ないのである。


(2)  日本は「政治」を別にして「官僚」「民間」は世界で一流だ。だから21世紀は心配ないといわれていた、しかし「鈴木宗男疑惑」はそんな声を吹き飛ばす重大な「事件」なのである。

 省みれば20世紀末の「薬害エイズ」問題は管直人厚生大臣の一言で「官・学・業」の癒着が明らかになり、多くの患者が「救済」された事実からして、「バブル」についても「政治・官僚・財界」が誰かが総括していれば今日的危機はなかったといえるのではないか、と思う。こうした事実の延長線上に私たち日本民族が21世紀を展望するなら、日本は世界に取り残される事になるのではないか。

 それが、こともあろうに日本社会のエリート中のエリート集団である外務省が今日的に状況に何の危機感も持たず、寧ろ後ろ向きに未来を展望した「事実」は、私たちに「21世紀維新」を提起しなければならない状況にあり、これは私たち日本青年社のみならず国民が心新たに認識、行動しなければならないということを示唆している、といわざるを得ない。
  

(3)  だから、政治的、社会的不信は国民により深く浸透し、経済は資本主義の機軸である銀行、大企業が「国際競争」に敗北し、恐慌の一歩手前であるデフレスパイラルに陥ってしまったのだ。それにも関わらず、「利権」を求めて止まない者が、「政・官・経」を牛耳っているとしたら、日本は「ひょっこりひょうたん島」どころか、小松左京ではないが「日本沈没」が現実化してしているといわざるを得まい。

 日本青年社は訴える。「温故知新の試み 新たなる地球社会への展開」のために、同時に日本民族の存在が問われていることから、「21世紀維新」が不可欠であると。

 このように鈴木宗男疑惑は「日本社会の構造的腐敗」を全面的な暴露したと考えるものである。この事態、状況を突破してこそ日本の21世紀の未来はあるのだ。

 そのために、先ず「隗より始めよ」との諺通り、日本社会の「精神的・物質的構造」を覆し、戦後、「焼け野原」というゼロから出発したように「高度成長後」を捨て去り、「維新」に向けて出発することを訴える。


 「日本沈没を許すな!」「日本再生を!」