平成13年10月01日

 私たち日本青年社は米国中枢同時テロ事件に鑑み、直ちに関係役員を招集し緊急会議を開き下記の見解を全員一致で決定した。

 米国中枢同時テロ事件は軍事力を持って報復攻撃するのではなく、犯人を明らかにし国際法廷で裁くべきであり国際テロリスト集団は世界が協力一致して撲滅すべきである。



(1)
 平成13年9月11日、米国で世界史的な史上希なる凄惨なテロリズムに遭遇した。米国経済の象徴=世界貿易センタービル(通称ツインタワー)、軍事力の象徴=ペンタゴンは<爆破飛行機>の突入によって未曾有の火の海になった。

 それは劇画ではなく現実であり、さらにその現実は悲劇の坩堝(るつぼ)化となった。

 これは歴史を画するテロリズムであり、誰の目にもイスラム過激派のテロリズムと映った。

 米国は直ちに声明を発表し、「『テロ撲滅』のためあらゆる手段を講じる」ことを発表した。

 私たち日本青年社はこの米国の態度を支持し、国際社会からテロリズムを一掃する決意に立ったことを内外に明らかにする。

 米国はこのテロリズムをアフガニスタンに住む国際・イスラム過激派テロリストであるビンラディン氏が主犯であると特定し、アフガニスタンのタリバン政権に対し、直ちに彼を米国に引き渡すことを要求した。と同時にこれは「テロリズム」ではなく「新しい戦争」と規定し、タリバン政権がビンラディン氏を引き渡さなければ「アフガニスタン全土に戦争を布告する」ことを宣明した。

 私たち日本青年社は米国の心情は理解するが、これはテロリズムであり、テロリスト根絶することこそ米国の任務であり、2000万人のアフガニスタン国民に「無差別攻撃」することは、かつてのハムラビ法典の「目には目を歯には歯を」を一層拡大したものであり、このテロを「戦争」に拡大することには反対する。

(2)
世界最大の宗教はイスラム教だ。状況は米国の思惑通り進んでいるが、イスラム12億の民は米国を「心良し」と思っているとは考えられない。

 それは以下の理由による。

 ヤルタ・ポツダム体制の戦後、ユダヤ人によってイスラエルが2000年有余を経て再興された。この地はユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であり、かつてヨーロッパがキリスト教十字軍を数度送り、イスラム教から奪回しようとして失敗した地でもある。

 このイスラエルは戦勝国・米英の支援もあって国土を膨張させ、戦後一貫した火種になっていたことは周知のことである。

 このことが、今回のテロリズムの要因になったことはいうまでもない。

(3)
 日本は米国のテロ支援に対して支持を表明し、小泉首相は7項目からなる「テロ対応措置の骨子」を発表、日本時9月25日0時過ぎ日米首脳会談の成果を発表した。

 日本青年社はこの骨子が「憲法改正」の方向で提起されていないという重大な点で反対であるが、現在の状況下での「対応措置」としては概ね賛成である。

(4)
 長い目で見た場合、私たちは、この3宗教の対立が根深く、いつ宗教戦争に転化しかねない可能性があることを見ておかなくてはなるまい。これは同時に世界中に民族紛争を抱える問題が多く、米・ソ冷戦構造が崩壊した今、宗教・民族紛争をどうしたら解決できるのか全世界が知恵を絞ってよりよき提案がなされるべき時なのだ。

【日本青年社は下記の事を訴える】

 異民族・異宗教の忖度(そんたく)を!と。
と、同時に日本は米軍に追随するだけでなく、日本独自の提案をするべきである。

 つまり、米国が行うことは「テロに対する報復」であり、自然環境と一般人を破壊する戦争に対しては反対の態度を明確にすべきだ。と付け加える。

 特に先進国=G8の中で、内部、外部とともにイスラム教と友好関係にあるのは日本だけといえることから、米国とイスラム圏の懸け橋となるよう努力することが今求められているのではないか。これが日本の持つ信仰の自由という人権を世界に最大限に発揮することになるのではないか。

 加えて東アジア首脳とも話し合い、解決策を見いだすことも大切ではないか。と考えられる。


(5)

 こうした中で世界同時不況の進行を止めるのも日本の役割ではないか。すでに米国はバブルがはじけ、円高が続いている。米国にとって経済と軍事は最大の国益であり、自らの主導権に極めて執着する。しかし、現在のグローバル化は資本の世界性の前に米国が一国の利益だけを追求することによって世界同時不況は克服できないだろう。

 またG7(G8)プラス中国が協調して世界同時不況を克服するためにも日本が一歩リードする役割を持っている。このために日本の構造改革は直線的に進むべきであって、何らかの「事件」で後退することは許されない。


(6)
 最後に日本青年社は「自然と共生 環境と調和」という極めて人間味のあるメインスローガンを持っている。この視点に立てば、「戦争反対」は当然なことである。

 私たちは再度訴える!
 異民族・異宗教の忖度を!


 民族・宗教には国の伝統と文化がある。ユダヤ・キリスト・イスラム教の神は1人だ。
 日本の大多数の人々はなくなった人を神様、仏様として平等、最大限に敬う。このように世界の国々と民族・各宗教には伝統と文化がある。それをないがしろに「押しつける」文化はすでに過去のものとなっている。

 テロには戦争でなく制裁を!
 戦争には平和を!
 
 私たちは日本青年社は、世界に向けて声高に訴える。