総本部理論文教局
局長 杉山 洋

 森首相が教育基本法の抜本的見直しを唱え「教育勅語」の精神を活かした教育を基本方針に据えた。このことは国民にとって大いに歓迎すべきものである。なぜならば現在の問題点は個々の技術的なところに問題点があるのではなく、日本の教育が敗戦によって連続性を断たれ、遅れた欧米諸国にそのモデルを求めようと右往左往した結果をもたらされたものである。と同時に文部省が「教育の機会均等」をはきちがい、学力水準の高い者を落として低いものと同時とする錯覚した教育を指導したからだ。

 日本は資源小国であり世界に通用する人的、知的資源を生み出す以外に生き抜けないことは自明の理であろう。

 アジアを見ても中国は文化大革命で知的部分をほとんど失い太痛手を負い、その反省から高等教育に国家的目標を設定した。その結果世界レベルの学者が続出し今やインドとともに知的一等国になりつつある。

 我が日本は人口一人当たりの大学生の数はどこにも負けないがそのレベルたるや目を覆うばかりなのが現実である。現在的処方箋は、教育は短時間で大逆転を起こすものであり日本が世界の中の先進国であるという幻想にとりつかれているならば21世紀の日本は惨めな国家になり下がる他ない。

 早急に数学、物理を高等教育の必須科目にし、中国・インドを超えてアジアでのIT革命の旗手になることだ。

今、日本国の多数は、先端教育でアジア諸国に負けていない錯覚を持っている。そのような現状に警鐘を鳴らし、新たな学校教育と、教育改革を並行して現在的なものとすることが大切なのだ。