日本の農業

食料自給率の向上を考える

日本青年社農業委員会副委員長
埼玉県本部 行動隊長
松 田 洋 樹


今回は日本青年社のスローガンの一つでもある*1、食料自給率の向上について意見を述べさせて頂きます。
 まず二〇一六年度の食料自給率(*2カロリーベース)は、三十八%と先進国の中で最低水準にまで落ち込んでいます。ということは半世紀前の七十三%から半減し、もはや国民の食と命を自国で守れない危機的な状況にあるといえます。
 食料自給率を一ポイント向上させるための方策は全国民がご飯を一日にもう一口食べるだけで一ポイント自給率が向上します。国産米粉パンを月四〇〇グラム、国産大豆一〇〇%の豆腐を月二丁、国産小麦一〇〇%のうどんを月に二玉食べる等でも向上します。
 これら全て実現できれば四ポイント向上する計算になります。いうなれば国産の農産物を選ぶことで自給率が上がります。また日本の主要農作物である米を使ったおにぎり等の米料理で自給率は特に高くなります。この様に国産食材を使用して自給率を向上しなければなりません。
 食の洋風化や小麦の輸入増などが自給率低下をもたらしています。少子高齢化で国内の食市場そのものが縮小している状況を踏まえて、消費者が危機感を共有し子や孫のことを考えて食料自給率向上に目を向けて欲しいと思います。
 国民の摂取カロリーの割合は米(自給率九十八%)、畜産物(自給率十六%)油脂類(自給率三%)。この三品目で摂取カロリーの全体の半分を超えます。
畜産でいえば飼料を海外に依存している事で自給率を下げる要因となっています。
 自給率向上の対策としては教育の場での「食育」や、食品産業と農業の連携を強化し新たな農産物直売所及び加工所、農家のレストラン、道の駅などで安心、安全、高品質な国産農産物をアピールし需要が高まっていけば少なからずとも自給率向上につながっていくと考えます。
 私は農業委員会のメンバーとして、そして農業従事者として国産農作物のアピールと食料自給率の向上にむけた活動に取り組んで行きたいと思います。
*1食料自給率とは、国内の食料消費が、国内の農業生産でどの程度まかなえているかを示す指標のこと。
食料を省略して自給率と言われる場合もある。
*2カロリーベース総合食料自給率
 国民一人一日当たりの国内生産カロリー÷国民一人一日当たりの供給カロリー。なお、国民一人一日当たりの供給カロリーとは国産供給カロリー+輸入供給
カロリー+ロス廃棄カロリーの合計である。