タイ王国「平和祈念公園」建立満15周年
平成22年6月21日、厳粛に記念大祭を挙行!

平成22年7月28日(追記:8月26日)


 わが国が戦後50年を迎えた平成七年(1995年)、私たちは今に生きる日本人として、戦後日本の繁栄と平和の礎となったあまたの先人英霊に心から感謝の真をささげるとともに、民族と国籍を超越したすべての戦没将兵に慰霊をささげ、世界未来の恒久平和を祈念する「平和祈念公園」をタイ王国カンチャナブリ県に建立しました。

 そしてこの「平和祈念公園」は、戦後日本が忘れてきた崇高な日本精神を回復することを大きな目的とし、宗教宗派を一切問うことのない慰霊施設として、今や二度と戦争のない「世界恒久平和発鐘の地」として内外に広く知られる存在となりました。

  また「平和祈念公園」は、戦後六十五年の節目を迎えた本年、建立満15周年を迎えたことから、6月21日、タイ王国カンチャナブリ県の「平和祈念公園」において、日タイ両国の関係者300有余名が一堂に会して厳粛に建立満十五周年記念大祭を執り行いました。



 平成22年6月19日(土)アジア和平日本委員会及び各県奉賛会の参加者は、成田空港を出発、バンコクを経由してカンチャナブリ県に到着したのが現地時間午後10時。

 翌20日(日)、カンチャナブリ県のフレックスリバークワイホテルにおいて日タイ両国の関係者が一堂に会して更なる友好を深めるための前夜祭を開催しました。

 前夜祭は、茨城県下館高校校長、同玉造工業高校校長を歴任し、現在タイ王国で教育ボランティアに取り組まれている高松勝明先生の挨拶に続いて、アジア和平日本委員会常任顧問・飯塚武文先生が「平和祈念公園」に建立されている「動物慰霊碑」の建立者である当時日本軍将校であった高橋武彦大尉(存命)の事実談として「カンチャナブリの連合軍墓地は最初日本軍兵士の墓地でありましたが、連合軍は終戦を迎えて収容した日本兵を毎日収容所からトラックで現在の連合軍墓地に連れて行き、日本兵に日本軍兵士の遺骨を掘り起こさせて全部クワィ川に捨てさせ、その後に連合軍墓地にしました。確かに当時は戦争という出来事があったが事実は事実として忘れてはならない、そういう意味においても『平和祈念公園』の存在は大きな存在といえる。」と建立の意義を説明のあと乾杯となりました。

 その後、参加者はそれぞれに『平和祈念公園』建立から15年の歳月を刻んだ時々の思い出を振り返りながら、和気あいあいの雰囲気の中で本年、建立満15周年記念大祭が開催される喜びを分かち合いました。


 平成22年6月21日(月)「平和祈念公園」記念大祭当日、午前8時には多くの参加者が顔をそろえ、日タイ両国のマスコミ(新聞社とテレビ局)も取材に備えて待機。

 午前9時、地元小学校の鼓笛隊の先導によって、カンチャナブリ県知事、同市長、警察署長、第9歩兵師団司令官をはじめとする政府関係者、軍関係者、アジア和平日本委員会役員が入場を開始。全参加者が指定の席に着いたところで、タイ王国仏教界を代表して地元ツンラジャー寺院の大僧正と九人の僧侶による読経終了後、司会者からの記念式典開会宣言に続いて国旗掲揚、日タイ両国の国旗が国家にあわせて掲揚されました。

 開会挨拶は、飯塚武文アジア和平日本委員会常任顧問が、「平和祈念公園」建立満15周年を迎えたことに対して、タイ王国側の要人をはじめとする日タイ両国の関係者に、心からの感謝の言葉述べたことに続いて、カンチャナブリ県知事が「…本日は和平のための式典に、多くのご来賓及びマスコミの皆様が参列され、誠に素晴らしいことと存じます。この度は、活動開始より15周年という栄ある式典に参加できましたことは、私もカンチャナブリ県知事として、また一市民として、誠に喜ばしいと存じております。21世紀文化教育財団では、カンチャナブリ県のこの地を慰霊の地とされてきましたが、教育、文化、社会支援、及び公益を目的に設立された文化教育財団の皆様のご尽力に心より深く感服申し上げるとともに、和平のための記念式典開催をお祝い申し上げますとともに、タイ王国及び日本国のアジア和平日本委員会の皆様、本式典にご参加された皆様のご発展をお祈り申し上げます…」と挨拶されたあと、日本国元衆議院議員・財団法人国際熱帯文化学術振興財団理事長・加藤尚武先生が挨拶されたことに続いてタイ王国元外務大臣・ドクターカセー先生が「平和祈念公園」建立満15週年を迎えたことを称え、今後の更なる活躍と発展を期待しますと挨拶されました。

    

 続く「世界平和の祭典」では、日本から同行した諏訪大地主桑井川神社の神官による神事で開始、「炎の行者」として知られ、大阿闇梨であり医学博士である池口惠觀大僧正による「大柴燈護摩法要」が行われた。また「大柴燈護摩法要」は、公園中央に作られた「壇」に点火された燃え盛る炎の中に、参加者全員が「世界恒久平和」を祈る護摩木を投げ入れた。壇に近づくことは容易ではないが、その燃え盛る壇を20数名の行者が囲んで読経する姿は、正に日本の伝統文化を世界に伝える荘厳な行事であり、参加者はこの日の思い出を心に深く刻みこむことができました。

 この式典に平行して行われた「平和祈念慰霊碑」の献花では、日タイ両国10名の代表に続いて、全参加者が献花を捧げました。

 『世界平和の祭典』後の挨拶では、第九歩兵師団司令官が「…皆様のご尽力により、このような式典を開催することができました。第九歩兵師団官吏として、兵士及び家族を代表心より御礼申し上げます。また、皆様が恵まれない子ども達のためにご支援下さることに、そして多くの皆様が兵士を信頼して下さることに心より感謝申し上げます。このような皆様の魂と名誉は、我々が生きている限りいつまでも語り継ぎ、忘れられることはないでしょう。現国王陛下ならびに王妃殿下のご威光の下、アジア和平日本委員会の皆様及びご来賓の皆様のご発展を祈念し、願いが実現されることができますよう心よりお祈り申し上げます…」。と挨拶されたあとに国旗降納が行われました。

    

 最後にアジア和平日本委員会・小林明会長が閉会の辞を述べて「平和祈念公園」建立満十五周年記念大祭を無事終了することができました。




    


     



追記(平成22年8月26日)


平和祈念公園建立満15周年を記念して建設された 公園内の新施設「日タイ交流会館」

    


戦後65年を迎えた本年、建立15周年を迎えた「平和祈念公園」記念事業の一環として公園内のクワィ川河畔に新設した「日タイ交流記念館」です。平成22年6月21日に執り行われた「平和祈念公園」建立満15周年記念大祭に合わせて「日タイ交流記念館」の完成式が執り行われました。

    


「日タイ交流記念館」は鉄筋コンクリート2階建となっており、2階の壁面には、公園添えに走るジャパンロードから日本を代表する「さくらの花」が見えるように描かれています。そして、一階部分は定期的に執り行われる「大祭」において日タイ両国の関係者が一堂に会して会食・歓談したり、公園を訪れる各国の観光客が自由に利用することのできるようゆったりとした休憩所となっています。通常は地元の人たちの催物や結婚式の会場として自由に利用することができる集会場的な施設となっています。 2階部分は、日本とタイ王国の古美術品を展示した「観賞館」になりますが、この「観賞館」は、現在、古美術品の搬入を進めているところであり、来年(平成23年)3月中旬までに全ての展示品が陳列を終え、同3月末ごろの開館を予定していますが、観賞館開館後は回廊に設置されているテーブルや椅子を利用して入館者が軽食を楽しみながら公園施設を一望することができるよう工夫が施されています。  


    


「平和祈念公園」には管理責任者が常駐しておりますので、タイ王国カンチャナブリ県にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

※「平和祈念公園」は如何なる宗教・宗派を問わず、寄付行為は行っていません。どなたでも自由に参拝できますのでぜひ足を運んでいただければ幸いであります。