日本政府への要望書


平成21年10月20日

日本国 内閣総理大臣
鳩 山 由 紀 夫 殿

平成10月13日
日本青年社


 謹啓 時下益々御清祥のこととお慶び申し上げます。

扨、この度は、大多数の国民が「政権交代」を切望した第45回衆議院議員選挙において、有権者から圧倒的な支持を受けて大勝され、貴殿が第93代内閣総理大臣に御就任されましたことに衷心より祝意を表します。

  私どもは、昭和36年の創立以来、半世紀にわたり国内外の動静を見極めながら、その時々の時代背景の中で、国家国益を重視した民族運動に取り組んでおりますが、21世紀を目前にした平成11年(1999年)、全社員の意識改革と体質改善に取り組み、いわゆる過去にこだわる右翼の概念から脱却し、未来を展望した保守民族派へと転換を図った日本青年社であります。

  扨、私どもは、平成18年(2006年)、ロシア政府関係者から、日ロ両国間において膠着状態に陥っている領土問題解決に向けた会談を行いたいので是非ロシアを訪問して頂きたいとの要望に応え、本年3月、民間人としての立場から、北方領土問題解決と日ロ友好関係を進展させるための扉を拓くべく、選抜された30名がロシアを訪問して政府関係者と忌憚のない意見交換を行って参りました。私どものロシア訪問に至るまでの経緯を下記に記させて頂きますとともに、ロシア政府並びに外務省などに提出しました資料一式及び訪問に関する関係資料、ロシア訪問中に撮影しましたビデオを編集したDVDを同封させて頂きますので是非ご覧頂きたく存じます。


【ロシア訪問に至る経緯について】

  平成18年(2006年)11月15日、私ども会長が、ロシア政府関係者より、日ロ両国間で膠着状態に陥っている領土問題解決に向けた会談を行いたいので是非ロシアを訪問して欲しい、との申し入れを受けました。併し、この話しがあまりに唐突であったことから、私どもは慎重を期した会議を幾度となく行う中で、ロシア問題専門家、領土問題の専門家の意見を聞いたり、元島民や漁業関係者から、北方海域の現状に関する聞き取り調査を粛々と進めて参りました。そのような折の、平成20年(2008年)、会長が、在日ロシア大使からの招待を受け、同年4月18日、東京・狸穴のロシア大使館においてロシア大使と昼食を伴にしながら、忌憚のない意見交換が行われました。ロシア側は当初私ども会長に、サンクトペテルブルグ国立大学において学生に日本の実情について講演をして欲しいとのことでありましたが、私どもが、日本青年社が考えている領土問題解決と日ロ友好条約締結に向けた方策を説明した上で、問題を解決するには、会長一人でロシアを訪問するのではなく、私どもに設立されている議員同志連盟の議員と社会的地位にある全国社友会の方々を中心とした、叡智ある人達がロシアを訪問したほうが依り訪問の効果が上るのではないかと提案したところ、大使はこの提案に賛同して本国に確認の上、直ちに私どもが推薦する30名がロシアを訪問することが決定しました。そして大使は訪問団全員にビザを発給することを約束しました。

  そして、私どもは、本年1月20日に開催した「全国代表者役員会議」での緊急発表として、全役員にロシアを訪問する旨と、その意義について概要を説明しました。又、メディア各社からロシア訪問に関する取材申し込みがありましたが、私どもはこの取材申し込みを丁重にお断りしながら、ロシア訪問の準備を粛々と進め、出発2日前の3月15日、国士舘大学国際会議室において開催した「ロシア訪問決起大会」において、私ども全役員の最終的な意思確認のもとに3月17日、30名のロシア訪問団がロシアに出発しました。

  ロシアでは、モスクワにおいて下院議会、プリマコフ元首相、外務省のアジア太平洋諸国局のガルージン局長、ロシア共産党モスクワ地区委員会などの主要機関を訪問しての意見交換を行った後、サンクトペテルブルグ国立大学において学生との対話集会を行うなど、日ロ両国民が、相互理解と融和親睦を深めるための民間外交に務めて参りました。

 又、この度のロシア訪問に関しましては、ロシア科学アカデミー東洋学研究所最高顧問・山梨学院大学大学院・サルキソフ教授に全てをエスコートして頂きました。

  私どもは、わが国が戦後64年の歳月を得た今日、わが国は米国一国追随と言う考え方から、アジア重視の外交方針に切り替え、特にロシアとの友好を深めることがこれからの日本にとって最も重要なことであると考えているとこでありますが、貴殿にはぜひ北方領土問題解決とロシアとの友好関係を築いて頂きますことをお願い申し上げます。又、私どもは嘗ての実現不可能な意見を主張するのではなく、国民の利益となりうるべき現実を直視することを総意としておりますので、これからの日ロ外交においてお役に立つことがあれば、民間人の立場から、わが身を惜しまず全身全霊を傾注してご協力をさせて頂きたいと願うものであります。

 末筆ではありますが、貴殿にはどうかご健康に留意され、国民が期待する「政治改革」と国際社会から信頼される国家再生を実現されますことを心よりお祈り申し上げます。

謹白



※本書面は、鳩山由紀夫総理大臣、岡田克也外務大臣、鈴木宗男外務委員長に呈上させて頂きます。