建 白 書


 謹啓 貴殿はわが日本の総理大臣として、国の在り方を刷新するために「改革」の旗印を掲げて構造改革を断行していることに我々は一国民として敬意を表す次第である。

 扨、貴殿には内外共に山積する難題に取り組まれていることと拝察するが、我々には貴殿の政治手法が、時を重ねるごとに、国民世論との間に乖離をつくり出していることに疑義を呈さざるを得ない。確かに貴殿は自民党総裁として結党以来一度も改善されなかった弊害を糾し、且つ、国家革新を目途して活躍されていることは周知であり、そのために、金権政治の温床であった派閥体質と、政界と官界の癒着体質を断ち切ることに鋭意ご努力されていることは理解できる。然し、いざ国民生活に密着した問題に関しては、平素より「歯に衣着せぬ」物言いをする貴殿の闊達な姿が見えないことから多くの国民は将来への不安を禁じ得ないでいることは否めない。

 貴殿は確かに構造改革の一環として道路公団民営化、郵政民営化等に関しての法案は、強行手段を以って可決させたことは記憶に新しいところである。

 然し、現実問題として、国民の最大の関心事である消費税率・所得税引き上げ、医療費の自己負担増問題等に関しては、総理の任期が終了した後に、次の内閣で法案を可決する方向で進めているようだが、これらの問題は閣内においても賛否両論が噴出しており、如何に第三次小泉内閣が一枚岩になっていないかを露呈しているように感じられるが、貴殿が国家を代表する総理ならば、国民生活に密着する消費税、所得税の引き上げや高齢者の医療費自己負担増、数合わせの三位一体等は断じて実施すべきではなく、それ以前にやるべき事があるはずだ。その最たるものが公費の無駄遣い、公務員の削減、医師による医薬品の過剰配布、無駄な公用車の廃止等、数え上げれば枚挙のいとまがないが、つまり公的資金支出を大胆に見直すべきなのである。 

 また、貴殿は貴殿が総理である期間だけ、御自身の存在を際立たせているのか、それとも貴殿の任期中に貴殿が掲げる政策と法案を実現させるおつもりなのか、覚悟の程を国民に明確に表明すべきである。

 我々は善良なる一国民として貴殿が総理在任中に、貴殿が掲げる政策に真摯に取り組み、国民が未来に希望を持てる豊かな国に回復することを強く望んでおり、貴殿も大多数の国民が貴殿を織田信長の人物像と重ね併せて評価していることを決して疎かにすべきではない。
 最後になるが、もし貴殿が任期中に国民生活に密着した諸問題をおざなりにしたまま総理をおやめになったならば、そこに残るのは、貴殿が構造改革のために自民党を壊したのではなく、貴殿の政治家としての信頼を国民が見限った結果となることは必至である。ぜひ貴殿には歴史に残る政治家として未来にその名を残す国民の代表であることを自覚して頂きたい。

 最後に一言申し上げる。堀江貴文、三木谷浩史、村上世彰の三氏がマネーゲームに走っているが、わが国の社会システムと日本的資本主義を破壊させないために、このような状況がこれ以上進まないように最大の努力をして頂きたい。

謹言

平成十七年十二月 ニ日

日本青年社        
                     幹 事 長 鎌田 泰弘
                     行動隊長 加藤 順一
                     本 部 長 塚田 真道
                       情宣局長 亀田 晋司

内閣総理大臣
 小泉純一郎殿