公開質問状

株式会社 ドンキホーテ
代表取締役 安 田 隆 夫 殿



 貴殿は日本を代表する総合アミューズメントストア「ドンキホーテ」の代表取締役として、全国各地に幅広く事業拡大を続けていることは周知であり、また多くの顧客に低価格の商品を供給していることに敬意を表す次第である。然しながら貴殿は一方において必ずといっていいほど地域住民との間に摩擦を生じさせているばかりでなく、商法違反に抵触する違法行為を数え上げれば枚挙のいとまがないと言えるだろう。

 そのような中で、昨年、さいたま市の浦和花月店で起きた火災事故によって、三名の尊い生命が失われたことは記憶に新しいところであるが、例えそれが第三者による放火であったにせよ、貴殿が顧客の安全を考慮した商品の陳列を心がけていれば、少なくとも犠牲者が出ることは避けられた筈である。簡潔に言うなれば、これも貴殿が消防法に違反してまで売り上げを上げることのみに固執した結果がこの様な惨事を繁がったとことを否定することはできない。また、その後の記者会見において、貴殿は涙ながらに謝罪する光景がテレビや新聞で報道されたが、果たして、この涙は何であったのか。強いて言うなれば我々は貴殿の涙は多くの顧客と視聴者を欺く偽善の涙であったのか。まず件についてお答え願いたい。

 また貴殿は地域住民の不安の声を無視して大阪の道頓堀店に大観覧車をオープンさせたことに続き、東京・六本木店(東京都港区六本木一ー五ー八)の屋上に日本初となる遊戯施設、絶叫マシーン「ハーフ・パイプ」を建設しているが、貴殿には善良な地元住民が建設当初から遊戯施設完成後に起こる街の変化を危惧して不安と怒りの声を挙げている声が聞こえないのか。それとも貴殿は地元住民の存在等は眼中になく、己さえ良ければ言いというお考えなのかお答え願いたい。

地域住民や通行人は、当初、六本木店の屋上に絶叫マシーンの骨格が姿を現した時、何か異様な感じを覚え、中には私どものところに相談に来て建設反対運動に取り組んで欲しいと協力を要請した者も多々ある。我々はその度に、貴殿が遊戯施設の建設は見合わせることも考えられるからと、むしろ諭してきた経緯があるが、さにあらず、貴殿は地域住民の建設反対の叫びに、聞く耳持たず、強行に建設を推し進め現在に至るも続行している。剩え、その遊戯施設は二十四時間稼動させるとのことだが、貴殿は果たして六本木の現状をご存知なのであろうか。言うなれば六本木は基本的に一般客が買物に訪れるショッピング街ではなく、昼と夜の二面性の顔を持った一種独特の雰囲気を漂わせる歓楽街であり、夕刻をすぎれば、国籍の分からない外国人が街中にたむろしたり徘徊し、また街行く人の多くの酔客であり不夜城の如きであり、今や六本木は外国人犯罪と青少年非行化の温床と化していると言っても決して過言ではない。そのようなことから六本木地域に在住する善良な住民や商店は、貴殿が利益追求のための集客動員に狙いを定め、本来、街の健全化に務めるべく国民の基本的精神を蔑ろにした傲慢な経営手段に、今後必ず大きな社会問題になるであろう深夜の騒音公害、不良外国人の更なる増加とそれに伴う青少年の非行化、更には、酔客によって、必ず起こされるであろう不測の事態等、人間社会における秩序の崩壊に危機感を抱くのは至極当然のことであるが貴殿はこの件について如何様にお考えかお答え頂きたい。

 附言すれが、いくら貴殿が法律や条例の網を潜り抜けても、生活を営む人間社会には守るべき秩序と常識がある。取り分け商いというものは、地域住民と意思の疎通をはかり相互関係の友好のもとに、売り手と買い手が相互に感謝の心をもって接し、商人は人の為に奉仕するべきであり、断じて人に苦痛を与えるべきではない。なぜ貴殿ほどの経営者が、この様な低次元の倫理を理解できないのか。少なくとも貴殿が今後も顧客から信頼される事業拡大に専念されるならば、貴殿はこれ以上、日本の風土に適した文化と社会環境を破壊するようなことはすべきでなく、地域住民の感情を逆なでするべきではない。

 よって我々は、六本木地区の地域住民を代表して地域社会の環境破壊と青少年の非行化を助長する遊戯施設建設は即刻中止することを断固要求する。

 貴殿は我々が真摯に記した抗議に対し、受理日から七日以内に明確なる文書を以って回答せよ。

 

 平成十七年十一月十一日

 

日本青年社総本部
総本部行動隊長 加 藤 順 一
東京都港区六本木三ー三ー十八
日本青年社会館