来賓挨拶
尖閣諸島問題は歴史の天王山

平成25年5月1日


経営者 漁火会
会長 中村 功

恫喝を続ける中国


 挨拶は抜きで、勿論、日本青年社と非常に関係のある話をします。

 天王山という言葉があります。あのとき負けたから今こうなっている、あのとき勝利したことから現在があるというような大きな問題に対処するときに使います。おそらく過去の歴史から見ても尖閣列島は、まさに天王山。あれで勝ったから、守ったからこうなった。負けたからどうにもならなかったというような、日本の誰もが想像できなかったことが起きるかもしれない大きな問題になってきています。

 尖閣問題で日本はどう対処するのかが求められています。それはどういうことかという話を、出来るだけ短くやります。

 1月中旬、米国の「安保派遣団」が来日し、日米防衛会議を行いました。日本の新聞はこれについてほとんど書いていません。まして何をやったかというのは一切書いていません。これを記事にしているのは『テーミス』という月刊誌です。「安保派遣団」は何を言いに来日したか。リッパート次官補は「日本よ怯える事ない」と米国側の立場を説明しました。これはどういう意味かというと、前に遡らなければならない。

 習近平総書記が就任して最初に視察に行ったのは、中国人民解放軍の第二砲兵隊です。この砲兵隊は、中国のミサイル部隊です。今まで真っ先に陸軍を視察するという伝統を打ち破って、砲兵隊を激励に行ったわけです。そして砲兵隊の少将がこういうことを言っているそうです。皆さんも、一度ぐらい聞いたことがあると思います。

日本という国土が地上から消滅していいのか


 ミサイルで日本を火の海にするということです。

 日本に対する恫喝です。勿論この言葉を知る人は、私を含めて問題視して発言していますが、朝日新聞と一般紙は一切書きません。これは大恫喝です。いや一砲兵隊少佐が言っただけのことと捉える人もいますが、これが中国の狡猾なとこです。中国では上層部、トップが認めない限りはそういう記事は一切海外に発表しません。何か都合の悪い時には、あれは一少佐が言ったという逃げ口で、おそらく習近平総書記はそれを認めているはずです。即ち、尖閣で日本が引き下がらないなら、尖閣を奪取するためいざとなれば核兵器を使うよ。それでもいいのか、という大恫喝を日本にやっているのです。

 皆さんはご承知と思いますけど、もし日中戦争をやったら日本だけでもいい勝負をします。限定戦争では全然問題にならないだろうということですが、軍事的な話をチョットだけします。

 ステルス製戦闘機F22が、1月22日沖縄の嘉手納基地に配備されました。このF22は通常戦で、1機で第4世代の戦闘機を10機以上落とす最高性能戦闘機です。シュミレーションでは最高、1機で50機に勝利したというデータもあり「不敗の戦闘機」です。それは別にしても、12機配備されており、中国の第四世代戦闘機、100機や200機は目じゃない。それを配備したのは1月22日ですから2週間前のことです。そうすると通常戦争で中国は日本に敵わない。敵わないなら中国は核兵器で日本に脅しをかける。ここまで言えばわかるでしょう。核兵器で日本を脅せば、アメリカは中国と日本をハカリに掛けて、おそらく手を出さないのではないか。日本はご承知のように、政府も国民も、何も行動を起こさず恫喝に屈するのではないか。というのが習近平総書記の思いです。

宥和政策に乗ってはいけない


 実はアメリカはこれを心配した。ちょうど第二次世界大戦の始まりとなるミュンヘン会談に似て、日本は中国の政治宣伝活動に負けてしまうのではなかということです。ミュンヘン会談でヒットラーに脅されて、イギリスとフランスが妥協、ドイツはその半年後ポーランドに侵攻。イギリスもフランスも戦うことになります。

 二度とその同じ歴史的間違いをしないと戦ったのが湾岸戦争です。ブッシュ大統領(親)の時です。それは別として、「安保派遣団」が日本に来ました。当然秘密会談です。おそらくリークしたんでしょう。まともには聞けません。リークを読みますと、中国の核弾道数は3000発から多くて5000発。地下には300発の核弾頭がある。勿論「核兵器の先制不使用」を中国は宣言しているが、それをかなぐり捨てたかのように核戦略ミサイル軍の「攻撃発言」はエスカレートさせているというのです。日本のメディアは「中国の核暴走」を報じない。日本のマスコミは駄目です。そういう情報を流しません。

 「安保派遣団」のリッパート次官補は「中国は核戦力で日本への圧力を強めてくるが、怯えてはいけない。米国は中国の核攻撃を封殺する軍事力を持つ」と述べ、だから日本よ、恫喝に屈するなと言っているわけです。日本が腰を抜かして、もし戦わなかったら、アメリカは日本を応援するにもできない。すでに米国では年頭に米国上下両院で尖閣防衛義務を明記した「国防権限法」を可決しています。そこまで米国は尖閣問題を重要項目として捉えているのに、日本が中国の恫喝に屈してしまえば水の泡となる。だから先ほど言ったF22が沖縄に配備されたわけです。

 おそらく安倍総理がアメリカに行けば当然秘密会談になるでしょう。これがわかれば皆さん多少は読めると思います。なぜ習近平総書記が最近変わったか。公明党の山口代表が中国に行きましたね。馬鹿な鳩山とか何とかも行きましたね。なんで急に行ったのか、何で行ったのか。

 当然中国は、どうやらアメリカは本気だ、恫喝ではどうもうまくない、そこで作戦を変えてもう一辺宥和政策をとろうということです。それでなんだかんだと言ってきていますが、宥和政策に乗ってはいけない、乗ってはいけないのです。ただ時間を延ばすだけで日本にとって何の利益もありません。中国はわれわれよりずっと政治的です。ケ小平の時もそうでした。経済が弱い時に尖閣を出したらうまくないから、将来に託そうと棚上げを言ってきた。そして20年、30年、その結果が今になっているのです。

尖閣灯台は歴史に残る功績


 『われわれ日本人が尖閣を守る』(高木書房)でも明らかのように、皆さんが建て27年間守り続けてきた灯台建設の意味がここにあるわけです。皆さんもそこまでは思わなかったと思います。日露戦争の二〇三高地、これは勝ち戦、アメリカと戦ったミッドウェー、これは負け戦、まさに今は尖閣が日本、いや世界の問題になっていると言っていい天王山なのです。

 これで万が一、中国に日本が妥協して負けたら、どういう理由で米国は同盟国として戦うのか。日本が何もしないで同盟国が一番戦っているような馬鹿な話はないわけです。ある程度日本が、三ヶ月支えれば米軍の準備は整う。核兵器も中国には使わせない。もし核で攻撃してきたら、日本もだめになるかもしれないが、中国の地下300発の核弾頭を含めて全土のミサイル基地を叩くぞというのがアメリカの決意です。こういうことを新聞が堂々と書けば、日本国民は全部わかります。それを日本の新聞は、いかにも話し合いができるかのように書く。嘘はつかないけど大事なことは書かない。報道しない。まったくおかしなことです。

 安倍総理が米国へ行ってどういう対応になるかわかりませんが、今の段階ではハッキリ核兵器の恫喝には核兵器の恫喝で応じる。それでないと米国のアジア戦略は総崩れになる。世界的に見ても、日本を見放したらアジアはすべて中国になびくことになる。

 そういう重要な天王山の尖閣諸島に、よくぞ27年間、主権の象徴である灯台を建て守り続けてきた。これは歴然たる事実です。皆さんがおやりになったことは、もしかしたら歴史に残るすごい功績となります。さすがの皆さんも、そこまで考えなかったかもしれません。しかし歴史というのはそういうものです。望まなくても尖閣の攻防は軍事的、政治的、社会的そしてアジアの多くの国を含めてアメリカの戦略的な天王山になりました。ぜひ私らも含め一人でも多くの人たちに声をあげていきたい。中々こういう情報は一般に出てこないのでこの機会をお借りしました。