海外活動報告
タイ王国・特別招待

タイ王国の高僧・故 ロング・ポー・ラムヤイ大僧正を偲ぶ大聖堂落慶式


平成25年5月3日

 わが国が戦後五十年を迎えた平成七年、かつて祖国を守るために戦い散華した先人英霊に慰霊と感謝の誠を捧げるとともに世界の恒久平和を祈念するタイ王国カンチャナブリ県の「平和祈念公園」建立に際し、ご理解とご尽力を頂いた高僧、故 ロング・ポー・ラムヤイ大僧正の十年忌を機に、大僧正が住職を務めた同県のツンラジャー寺院の大聖堂落慶式に特別招待を受けた私たちは二月二十五日に代表団三十七名が日本を出発。二十六日にカンチャナブリ県知事と同市長を表敬訪問、二十七日に大僧正の大聖堂落慶式に出席した。また、大僧正の本葬儀は十年前に厳粛の中にも壮大に執り行われたが、国王陛下の命により生前の姿のまま大聖堂にご安置された。



カンチャナブリ県庁と市役所を表敬訪問

 二月二十六日、カンチャナブリ県庁と同市役所を表敬訪問して県知事と市長と面談。タイ王国では県知事・市長は日本のように選挙で選ばれるのではなく、国王陛下が直接任命する勅任官として大きな権限を与えられている。両氏は私たちの訪問を歓迎しながら、同県が国内で最も注目される地域になっていることの説明をした。
 この説明は、バンコクからミャンマーまでの物資輸送はマレー半島を迂回する海洋ルートだが、建設工事が進んでいるバンコクとミャンマーを結ぶ高速道路が完成するので陸路ルートに変わる。カンチャナブリがその中間点に位置することから、昨年の大洪水で壊滅的な被害を受けたアユタヤの工場移転や日本の企業進出に伴う人口増加によって、これから大きなの経済発展が見込まれており国家的な大プロジェクトがはじまっていることなど大変有意義な会談となった。



ロング・ポー・ラムヤイ大僧正 ー大聖堂落慶式ー

 この大聖堂落慶式は、数日間にわたって行われる大きな行事であり、私たちが訪タイする前から行われているが2月27日は、王室関係者、軍長官、経済界、知事、市長、警察署などの特別待遇者が出席する式典と定められており、私たちは唯一の日本人としてこの日に招待を受けた。



 霊前には国王陛下より下賜品が供えられ、法要は高僧により巴利(バーリ)経典の三法に帰依する読経で開始された。この度の落慶法要は奈良・東大寺・大仏開眼法要以上であり、その最前列半分は私たち関係者に用意されていた。これは普通では有り得ない事であった。献花式は、王室関係者、県知事、市長、警察署長、そして各県奉賛会の千葉州時会長の五名が出席者を代表して行った。

 大僧正がご安置されている大聖堂の外には多くの椅子が設置されていたが、着席している人たちは制服で正装した県と市の職員であり、その後ろには絶え間ないほどの人たちが参拝に訪れていた。この式典が行なわれている間は一日に五千人から六千人の人たちがお参りに来るという。
 
 最後に、ロング・ポー・ラムヤイ大僧正の大聖堂落慶式に出席して思いいたすのは、平成七年の平和祈念公園建立が、県の観光地に指定され、世界遺産登録が進められるまでの存在になった原点は、タイ王国の高僧、ロング・ポー・ラムヤイ大僧正のご理解と多大なご尽力の賜に他ならず、今はなき大僧正の偉大さだった。

 今や、タイ王国はもとより世界にも『世界恒久平和の発鐘の地』の地として知られつつある平和祈念公園の更なる充実と発展に向けた活動に取り組むことを、出席者全員で誓い合い、爽やかな気持ちで帰国の途についた。