平成24年 第35回
タイ王国「平和祈念公園」秋季大祭を厳粛に挙行




日本青年社
統括長 大久保 叡


 平成24年11月12日、タイ王国政府が世界遺産登録の申請手続きを進めているカンチャナブリ県「平和祈念公園」の第35回秋季大祭が厳かに執り行われた。


 今回の秋季大祭は、例年より早い11月10日に日本を出発した。翌日の11日、日本から参加した奉賛団を代表して、地元にある孤児の収容施設「子どもの村学園」を慰問した。この慰問活動は平和祈念公園建立以来、毎年2回行われている。施設の子どもたちは私たちのバスが見えると待ち望んでいたかのように職員室の前に集まって迎えてくれた。施設にはすでに顔なじみになっている子どもも多く、私たちにとっても心癒されるひと時である。時間の関係から1時間ぐらいで施設を後にしたが、大勢の子どもたちが私たちのバスが見えなくなるまで手を振っているので心が痛んだ。


 大祭当日の12日は朝から雨風が強く、ホテルからの出発を遅らせたために式典は予定より少し遅れて開会した。


 式典は先ず開会に先立って司会者から、一昨日の10日に茨城県の「かすみがうら市遺族会」の方々20数名が「かすみがうら市職員とともに「平和祈念公園」を訪れ、公園中央に鎮座する「平和祈念慰霊碑」の御前で慰霊祭を行った。このとき、市の職員は、かすみがうら市長から託された献上詞を奏上して献上したとの報告があった。


 式典は最初にタイ王国国旗、日本国国旗、アジア和平日本委員会旗が、秀和奉賛会の方々によって掲揚されたことに続いて、アジア和平日本委員会・小林明副会長が「…例大祭に参加するたびに心が洗われる想いと背筋が伸ばされる思いがします…。」と開会挨拶を述べた。


 続く代表挨拶では、同委員会の飯塚武文常任顧問が、タイ王国政府要人、僧門界、カンチャナブリ県関係者、各県奉賛会に対して、平和祈念公園大祭が35回を迎えたことに深く感謝の意を表すとともに、現在、世界各地で経済、宗教などの諸問題が起きている。日本でも隣国との間で領土問題が起きている中で、過日、ある会議において著名な先生が、人類史上希に見る国日本・天皇を元首と明示しない国、領土を毅然として保全できない国、安全保障を他国に委ねるハンディーキャップのある国、自国の教科書を作れない国、他国の軍隊に守られている軍隊を持つ国、自国内で外国人の政治活動を止めることができない国、国防義務を果たせない堕落した国、護国の英霊を崇敬しない国。と題した講演内容を引用しながら、これは池口惠觀大僧正が、私たちの全国社友総会で述べた通り、日本青年社のイデオロギーをしてすでに取り組んできたことであり、この平和祈念公園も正にその一つであります。この公園を通して、日本精神である大和魂を世界に理解していただくとともに、後世に伝えていかなくてはならない…。と切々と話された。


 挨拶の後、諏訪大地主桑井川神社神官による厳かに神事が行われた。献上詞奏上では、東京都の奉賛会を代表して澤井克己様が奉読して献上したことに続いて、千葉州時各県奉賛会会長御夫妻、飯塚武文常任顧問、小林明副会長、笹本直紀山梨県奉賛会代表による奉賛団代表献花と、日タイ両国の全参加者が、思い思いの形式で献花と参拝を行った。


 閉会挨拶では、千葉州時各県奉賛会会長が、平和祈念公園の世界遺産登録実現に向けた決意を力強く述べて式典は滞りなく終了した。


 式典終了後、公園内に新たに建立された飯塚武文常任顧問の座右の銘『仏法遥かにあらず、心中にして即ち近し』が刻まれた石碑の建立奉納式と桑井川神社で昇殿参拝を済ませて一路バンコクに向った。