秦緬鉄道とメクロン鉄橋

 カンチャナブリ県は、タイ王国の首都バンコクの西方約120キロに位置し、西側でビルマ(現ミャンマー)と接しています。

  この橋を走る鉄道が秦緬鉄道であり、第二次世界大戦中期に日本軍が計画し、ビルマ・インド進攻作戦の陸上補給に当てたもの。 基点となったタイ側ノンブラドックから西北方へ延び、カンチャナブリ県経由ケオノイ川沿いに、国境スリーパゴダ・パス(三塔峠、海抜450メートル)を越えて、ビルマ側イエ線のタンビザヤに至る全長414.9キロメートルの軍用鉄道です。


メクロン鉄橋前に静態保存されたC5623号

メクロン鉄橋

 1942年(昭和17年6月)に着工されて1943年(昭和18年5月)橋梁完成、10月に全面開通しました。この間、鉄道敷設に動員された人員は約17万人でその内約4万5千人が過酷な労働条件により死亡しました。あの「クワイ川マーチ」で知られる旧日本軍と英軍捕虜たちとの物語は有名です。その後、戦況の悪化とともに連合軍の爆撃により鉄道も橋梁も破壊されましたが、戦後、日本鉄道隊が再建し現在に至っています。

線路の敷設工事

鉄梁工事

連合軍の爆撃を受けている

爆撃により落ちた鉄橋

桟道橋の部分(当時)

ほぼ同じ場所で撮った桟道箸(現在)
 かつては戦争のために作られ、「死の鉄道」と呼ばれていますが、今は地域の人々の重要な手段となっており、毎年10月30日の夜には、戦場にかける橋(クワイ川鉄橋)と周囲の山々を舞台として実戦さながらの大戦ドラマが繰り広げられるのを、クワイ川に浮かぶ遊覧船からも観戦することができます。

現在の秦緬鉄道の客車を引くディーゼル機関車
山間部を行く列車

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